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Knowledge Report #01
- Knowledge Report #01
- Knowledge Report は、お客様やパートナー様の声をご紹介するコーナーです。
今回は、競争環境が熾烈なコーヒーチェーン業界におけるパイオニアとして、根強く愛され続けているドトールコーヒー様。コーヒー業界の荒波の中で、今後の同社を牽引していくための新たな人材創りに向けて提供されたのが、ナレッジ・マーチャントワークス株式会社(以下KMW)が提供する研修プログラムでした。この研修導入の背景と成果を株式会社ドトールコーヒー(以下ドトール)の平本氏と共に振り返り、お話しいただきました。
- Project Overview
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提供領域 人材開発:幹部・幹部候補生向け選抜型「塾」プログラム 対象 リーダークラス(幹部役員と部長クラス)計37名 テーマ 「 Change DNA 」 を実現するビジョン浸透研修 内容 1泊2日のキャンプという非日常体験でのビジョン浸透プログラムを実施
アウトドアでの「共同作業」と「議論」を繰り返すことで、会議室では得られない、新たな関係性構築と理解促進を醸成
- 染谷
- 思い切った“ビジョン浸透合宿”を採用していただき、本当にありがとうございます。まずは、改めて実施した背景から教えてください。
- 平本
- リーダークラスの強化、これが1つの大きな課題でした。弊社は現名誉会長の鳥羽博道によって創業された会社です。今のドトールがあるのは、鳥羽のリーダーシップと、それを支えてきた役員はじめ社員のお陰だと思っています。トップが方向を示し、そこに向けて各現場が事業を展開させていく、その関係性は長年の成長を実現してきました。一方で、現経営陣と従業員が一丸となって取り組む環境作りが課題となっていました。
- 染谷
- そこで、数年前から現社長の星野さんは「Chage DNA」というメッセージを発信されていましたね。
- 平本
- そうです。従業員全員が主体性を発揮できるように意識改革をしていく必要があると誰もが感じるようになっていました。
- 染谷
- どんな課題があったのですか?
- 平本
- まず、役員と部長間で心理的な距離がある状態でした。互いに意見を言い合えるという環境ではなく、方針に沿ってやっているか、考え方は間違っていないかなどは確認するべきことではあるものの、それも言えないような方もいました。もっと事業を推進する役員と部長でタッグを組み、事業を展開していかなくては「Change DNA」は実現できないと思っていました。そこで、第三者の意見として、KMWさんと壁打ちで深い議論をさせてもらっていました。
- 染谷
- なぜ、数ある研修・教育系の会社ではなく、KMW だったのでしょうか。
- 平本
- KMWさんには、サービス業を一括りにせず、各社の業種業態の個性やその想いを深く理解する姿勢がありました。描いている未来にロジカルに策を考え、とことん向き合ってくれる会社だからです。議論は半年以上に及んだのではないでしょうか。結果的に、この役員と部長の距離を縮める場が必要でしたが、社内の研修では達成できない。そこで、アウトドアで行う「ビジョン浸透合宿」をご提案頂きました。学ぶ・議論する環境を変えるというのは非常に面白い発想だと思い、その提案の場で、弊社社長も「やろう!」とすぐにゴーサインをだしてくれました。
- 染谷
- 「ビジョン浸透合宿」は、スノーピークビシネスソリューションズさんに全面的にご協力いただき、一泊二日のキャンプ合宿を実施しました。当日、皆さんの様子はいかがでしたか?
- 平本
- テント張り、食材探しゲーム、BBQなど、チームビルディング要素が多く、自然と共同作業が生まれました。その共同作業→議論→共同作業→議論…が織り交ぜられるプログラムを考えて頂いたことで、参加者同士関係が深まっていきました。
- 染谷
- 「テントでの座談会」も印象的でしたね。非日常となるテントの中で、役員と部長が語り合う場を作りました。平本さんも参加者の一人として、いかがでしたか?
- 平本
- 社長や役員と接点が多い私でも知らない話が沢山あり、とても貴重な場でした。ドトールでは「一杯のおいしいコーヒーを通じて、お客様にやすらぎと活力を提供する。」という企業理念がありますが、その理念が作られた当時を知るのは社長や役員など限られた社員だけになりつつあります。座談会では、当時の彼らだからこそ知るエピソードを語ってもらいました。予想外に盛り上がって、終了予定時間は大幅に過ぎてしまいましたが、ここでグッと距離は縮まりました。
- 染谷
- 時間がおしたことで、真っ暗闇の中で夕食のBBQの食材探しゲームを行って、「食材」が探し出せないチームもあった。でも当たり前のように分け合い、皆で楽しく食べて笑って、チームを超えた和ができあがっていましたね。
- 平本
- 会社という枠組みがなくなると、こんなにも自然と協働できるのかと驚きました。最後の焚き火では、腹を割って話せたことで、部門を超えた関係性が生まれ、新たな絆が生まれたことを実感したという声をもらいました。この事だけでも、会議室を飛び出して良かったと思います。
- 染谷
- 合宿は無事終わりましたが、当初立てていた目的は果たせましたか?
- 平本
- キャンプによる「ビジョン浸透研修」は大成功でした。今まで知らなかった創業時のストーリーから新たな視点を持ち、話したことのない役員・部長同士の接点が増えたことで、日常業務に戻ってからも、気軽に話せて、相談できる相手が増えました。まず、最初のハードルは越えたと感じています。
- 染谷
- では、一方で課題はありましたか?
- 平本
- 合宿直後に行った「まとめの会」では、無記名でアンケートを取りました。そこで、キャンプ合宿についての評価は良くても、「将来の事業を、自分事として取り組もう」という姿勢や意欲が感じられる回答はまだ少なかったです。何事も全力で取り組む姿勢は誰もが持っていますし、協働の姿勢も生まれました。ですが、正直、自ら変化を生み出そうという変革行動へのシフトまでには、まだ少し時間がかかると感じています。
- 染谷
- 合宿から数ヶ月が経ちましたが、皆さんの様子はいかがですか?
- 平本
- 少しずつですが、変化は起きています。合宿を機に、自ら役員・部長たちで集まって定期的に協議をする場が設けられました。これは着実な前進です。そして、私自身が今後取り組むべき目標も明確になりました。「Change DNA」の「D」には「Dream=夢を持つ」という意味があります。この言葉のとおり、役員や部長クラスが「事業をこうしていきたい」と具体的な目標や夢を掲げることで、社員全員も大きな夢を持ち、仕事や組織に大きなやりがいを持てると思っています。こうした組織を作っていくのが、私の目標です。
- 染谷
- 組織も個人もそう簡単には変わりません、でも平本さんのような熱意のある方を中心にアプローチを続けることが大切だと思います。
- 平本
- とはいえ、自分たちで会社を見て、考え、変えていくのには限界があると思っています。そこには客観的な視点やノウハウが必要です。KMWさんは小手先の手段や手法を売るのではなく、サービス業への深い知見のもとで、どうすれば変化を起こせるか、寄り添って考え抜いてくれるパートナーです。これからも「Change DNA」に向けて、一緒に次のステップを描くサポートをお願いしたいですね。