COLUMN
SWX総研
ー新しいシフト機能に込めた思いと、その開発背景ー
はたLuck®︎のシフト機能を新しく開発することは、昨年から構想していたことでした。
しかし今年に入り、新型コロナウイルスの影響が広がっていく中で、Afterコロナ時代における「新しいシフト作成」のあり方とは何か?という、新たな「開発方針」が明確になっていきました。
それはコロナによって世界中の店舗サービス業がアップデートされると考えたからです。アップデートされる方向性とは、総研コラム第3回でも触れましたが、産業の「事業再生」期における経営の中央集権化による「全体最適」の実現です。「全体最適」とは、個別の店舗が自由に店舗運営をできた時代(部分最適)から、本部主導の判断によってムダ・ムラを縮減して利益の創出を実現する経営への転換です。これを実現しなければ、これからの店舗サービス業は確実に利益を出せなくなるからです。
この考え方や思想を土台とした、開発方針のポイントは以下の3点です。
①経営の「全体最適」を促進する、人件費管理・最適な人材配置機能
最近、ある上場企業では人件費構造の変革、意思決定の迅速化を狙って、子会社を再編してグループ企業数を縮小する決定をしました。
新型コロナウイルス感染拡大による店舗サービス業への影響は非常に大きく、前述の様に「事業再生」と捉えた企業は経営を中央集権化することで「全体最適」を進め、数百店の店舗網におけるムダ・ムラを無くし、利益を創出することが求められてきます。このような環境では、店舗でも人件費管理の徹底、近隣店舗での人材最適配置を行い、ムダ・ムラを縮減することが必要になります。
これまでのシフト作成ツールの場合、「店長のシフト作成業務を楽にする」ことが基本ミッションでしたが、はたLuck®︎ではシフト機能の役割を根底から考え直し、本部やSVが「全体最適」を促進するために、複数店舗の人件費管理や最適な人材配置を可能にするシフト作成ツールであること、を前提に開発しました。
②複数職種・複数ブランドのスキル管理で、エリア内店舗運営の最適化を実現する
シフトとは、店舗運営の人材の最適化を図る上で重要な役割を担うと考えています。人材のスキルを高めマルチタスク化することで、店舗運営に必要な人数を最適化することが可能になるからです。その上で、どの店舗にマルチタスク人材が何人存在しているのかを管理し、近隣店舗同士での最適配置を実現するためにも「複数店舗間でシフトの調整ができる機能」は必須だと考えていました。さらに各人材が複数のブランドで就業可能になるようなスキルアップの設計が可能であれば、チェーンで複数ブランド展開されている企業でも人材の最適配置が可能になります。(図表参照)
よって、はたLuck®︎シフトには1人のスタッフに対し「複数の職種スキル」を管理する機能だけでなく、「複数のブランドにおけるスキル管理機能」が付属され、エリア内・複数ブランド間での人材配置を可能にすべく開発を進めています。
③実行力100%の店舗基盤を作る
はたLuck®︎のコンセプトは、1つのアプリで店舗マネジメントに必要な機能をトータルに提供し、「店舗変革PDCA」を回すことで、店舗のオペレーション実行力を100%に持っていくことです。
今回のシフト機能の実装は、PDCAの「PLAN(計画)」の部分に位置づけられ、売上・利益計画から逆算した「人材配置」を行うための機能としてご提供します。
今後のアップデートにより「ワークスケージュール作成(作業割り当て)」までを可能にし、スタッフの「誰に」「どんな仕事をしてもらうのか」を指定することができるようになります。これが店舗スタッフの実行力を高めることにつながる基盤となり、「連絡ノート」の宛名機能と連動することで中核スタッフに具体的な作業指示や報告を求めることができるようになる「DO(実行)」に繋がります。このように、店舗業務の計画立案段階から、出勤する中核スタッフに作業の詳細を指示することができ、業務効率化を高め、確実にオペレーションを実行できる店舗を作ることができるようになります。
このように、Afterコロナ時代の店舗の業務変革を実現させたい、という思いで開発を進めてきたのが、今回のはたLuck®︎シフトです。リリース後もお客様の要望を伺いつつ、更に使いやすく、業務効率化や実行力を高めるためのアップデートを行い、店舗サービス業にとって必須の中核機能に育てていきたいと思っています。