COLUMN
SWX総研
この連載は、多様な業界の識者の方々との対談を通じて、新型コロナウイルスが蔓延する前の社会・会社・個人の在り方を再考し、アフター・コロナの世界をイマジン(想像)する企画です。私はこの作業をリ・イマジン(Re:Imagine:再想像)と呼び、連載を通じて読者の皆様と未来をリ・イマジンすることによって、様々な職種・職級の方々が健やかに働ける社会の実現に向けた提言を行います。
Photo by Eri Shimizu
変わらないもの
Withコロナ時代に生きる私たちの働き方・居住環境・消費など、生活を構成するほとんどのものが変わってしまいました。Zoom やGoogle Meetが新しい会議室になり、キッチンやリビングがコールセンターの役目も果たし、時に子供部屋が学校の教室にもなりました。リアルでの対面を売りにしていた外食・小売・サービス業の多くが時短営業を余儀なくされる中、Eコマースはニューノーマル時代のコマースになりました。今後Before・With・After コロナをベースとした3種類の「考え方」が交錯する可能性が高いと予想され、消費やライフスタイルの方向感は出にくくなると考えられます。ただ、私たちは既に実生活においてオンラインとオフラインの境界線を無意識に無くしつつあり、afterコロナ社会に向けた不可逆な変化の真っ只中にいるのです。
一つ確かに変わらなかったことがあります。それは、どのような時代においても人間同士が手を(オン・オフラインで)取り合い協力することです。私たち人間は、苦しみ悩んでいる人、社会課題に直面したとき、「なんとかしたい」という強い衝動に駆られます。それは家庭・地域・会社など組織規模に関係なく様々なコラボレーションを生み、その「衝動」がイノベーションの種となり、時間の経過の中で様々な「解決策」が生まれて来たのです。
×を45度傾けると+になる
先日お会いした、ある経営者に「×を45度傾けると+になる。」と言われました。多くのビジネスモデルに×(バツ)が付き倒産件数が増える中で「社会・会社・人・自然の変化に合わせてモノの考え方、事業構造、生き方を90度、180度変えることは難しい。では、まず45度変えてみよう」という想いが込められた言葉です。2020年以降の私たちが生きる社会は全世界の人々の期待を裏切るものであった訳ですが、だからこそ、手を取り合いもう一度、未来を想像してみましょう。その想像力も人間が持つ普遍性の一つであるのだから。
Re:imagine
栗岡 大介