COLUMN
SWX総研
SWX総研研究員の栗岡です。
9月15日に百貨店各社が8月の月次を発表しました。
SWX総研では各社の月次に対して、インプリケーションをお伝えします。
J・フロントリテイリング、高島屋、三越伊勢丹の3社の8月の売上高(速報値)は先月に続き前年同月比20%~30%の大幅減少しました。コロナウィルスの影響及び、猛暑による外出手控えを背景に客数の回復が鈍いことが大幅減の要因となっています。
9月14日までの各社の状況は、高島屋で前年比△26.3%、免税売上は 同△90.5%、免税を除いた売上は同△21.6%で推移しています。大丸松坂屋百貨店は△38%減、免税売上高は同 △97%減、国内売上高は同△32%で推移しています。 また、首都圏の三越伊勢丹は△35.2%(既存店計)、国内百貨店△32.8%で推移するなど、天候及びコロナウィルスの影響を背景に各社の月次は低調に推移しています。
しかしながら、コロナウイルスの影響を追い風に売上増加・回復をした商品群もありました。例えば、自宅の滞在時間の長期化及び良好等の各種アクティビティの代替品として、書籍、家電、楽器、インテリアなど「巣ごもり需要アイテム」が堅調に推移しています。また、自宅で夏休みを過ごす時間が増えたことにより、牛 肉・鰻などのプチ贅沢需要が回復する傾向も。特に目を引いたのは、各社の月次報告書にはラグジュアリー・ブランドやハンドバックが好調と書かれていたことです。ラグジュアリー品は、オンラインではなくリアル店舗で商品選別を行う傾向が強く、消費マインドが完全になくなっていない可能性を示唆します。
GoToトラベルで人の動きは緩やかに改善しているものの、リアルでの買い物を手控いするムードは今後も継続する可能性が高いとSWX総研では考えています。また、11月以降に気温の低下によりコロナ感染者数の再度大きく増加するリスクもを今後の各種施策の策定には織り込む必要性があります。冬の賞与アップが見込みにくい中では、消費者マインドの回復は鈍く、引き続きオンラインへの販売チャネルの拡大、顧客ニーズに合わせた機動的な仕入れ・販売、販管費コントロールが重要になります。当社が提供するはたLuckも、売上の回復が見込みにくい中で、本部・現場で業務に当たられる従業員の皆様のコミュニケーション・コストの低減による販管費削減を念頭にお客様へ業務改善提案を行っています。