COLUMN
SWX総研
今年は弊社が事業ドメインにしている店舗サービス産業にとって激動の1年となりました。
新型コロナウィルスが猛威を振るい、人と人との接触が禁止されるという、前代未聞の状況が私たちの日常を襲いました。本来リアル店舗の価値は、店舗空間の中での「人と人が創り出すサービス」にあります。それができなくなるということは「価値の提供方法」のパラダイムチェンジです。「非接触」による新たな価値提供方法への変化が求められたのです。これまでの成功体験を捨て、自らを変革できるか、それが各企業に試された1年だったと思います。
外食産業は、イートインでの価値提供から、テイクアウト、WEB通販、ゴーストレストランでの宅配など手段の多様化が求められました。また小売業は、SV(スーパーバイザー)などの臨店業務に制限がかかる中で、売り場の指示実行度をいかに保ち、販売機会のロスを減少させられるかなど、店舗マネジメントの方法にも変化を求められたと思います。
私たちも同様でした。これまでは、“店舗内”の情報共有における課題解決、業務効率化を行うための「はたLuck®︎」であり、店舗スタッフのマネジメントツールとして店舗運営のDXを支援してきました。しかし、コロナによって変容が求められています。お客様は今、本部の指示が店舗に伝わり、指示が確実に実行されているか、またその実行度合いを画像や数値で可視化して欲しいというニーズを持っています。確かにコロナ禍で中央集権化した組織においては、これまでの店舗内コミュニケーションやシフト管理だけではなく、本部と店舗間のコミュニケーションのペインが大きくなり、シフトも作成段階からの人件費管理や、複数店舗間での欠員募集による人員の有効活用などへと、ニーズが変化してきているのです。
このようなお客様の変化に適応し、「はたLuck®︎」も「チェーン店経営における店舗運営マネジメントツール」へと更なる発展を遂げる必要があると考えています。
2021年は、変化を収益に変えられるか勝負の1年
前述のような環境変化に対応すべく、来年もコロナによって店舗運営のDXは加速度的に進むと予想されます。その上で、DXによる業務フローの変化を収益に結びつけることが求められます。つまりDX投資が業務の効率化に結びつき、顧客満足度を高めることにつながっているか、それが収益を押し上げる効果を生み出しているか、そのような投資対効果が求められるようになってくるでしょう。そしてDXを店舗経営に有効に結びつける業務フローの変化に成功した企業こそがAfterコロナで生き残っていけるのです。
私たちのような店舗運営のDXを支援する企業にとっても同様です。環境への適応を加味し、お客様に選ばれるサービスの開発なくして、Afterコロナを生き残っていけません。
コロナは、私たちの存在意義を問いかけている
今回のコロナウィルスの影響は、「私たち企業は、何のために存在するのか」という存在意義を私たちに問いかけています。もし自社の事業が無くなっても、お客様に、社会に、それほど影響がないのであれば、残念ながら市場からの撤退を余儀なくされるでしょう。逆に、それでは困るというお客様が多く、その影響が大きければ、選ばれる事業となるでしょう。コロナは、この選別を早めているのではないでしょうか?今一度、自社の存在意義は何かを明確にし、提供すべきサービスとは何か、を見つめ直すことが求められているのだと思います。