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リクルーティングからのお知らせ
武器としてのコミュニケーションを学び、新卒を導くメンターになる
HATALUCKではこの春、新しい新卒の社員が2名入社しました。昨年入社した一期生には春から先輩として新卒2名のメンターを担当してもらいます。これまでの教えてもらう、自分の意見を聞いてもらう立場から、先輩としての立場へ自己定義を変革し、新卒にとってメンターとして良い影響を与える人材になるための技を身につけてもらう必要があります。
今回のコラムでは、メンター研修で行った、l社会心理学を使ったコミュニケーション技術を紹介します。
■メンターの役割
HATALUCKは新卒にとってのメンターの役割を、「困難なときに精神的な支えとなる人」と置いています。仕事やキャリアだけではなくプライベートのことも相談できるくらいの心理的安全性を満たす拠り所です。
メンターにとって大切なことを大きく以下の3つに分類しました。
- 日常のサポートとロールモデルとしての自覚
- コミュニケーションによる信頼関係の構築
- メンティーのモチベーションの維持・向上
新卒はまだ社会人になったばかりのため社会人としてのルーティンもまだ確立されていません。そのためまず新卒2年目のメンターが真っ先にやらなければいけないことは、ロールモデルとして新卒1年目に1年後に到達しておいてほしい目指す姿を明確に見せることです。
そしてHATALUCK会社の文化や価値観をベースに些細なことも含めて日常のサポートを行ってもらいます。
次に、メンタリングができる環境を作るために、メンティーとの信頼関係を構築しなければいけません。HATALUCKは人と人の関係性を重視しており、協働する上で重要なコミュニケーションのコストを削らないことを社内のお約束としてこれまで日常業務や研修やイベントを行ってきました。
新卒1年目は周囲からコミュニケーションをとってもらうことも多かったかもしれませんが、これからは先輩として自らコミュニケーションを取りに行く機会を増やして欲しいと思っています。
■モチベーションの維持・向上
そして、今回のメンター研修のメインテーマが「モチベーションの維持・向上」です。研修では全2回にわたり、モチベーション理論や社会心理学をもとに人を変革させるコミュニケーションテクニックを学びました。
まず、人のモチベーションについて、その研究の変遷から解き明かします。
人のモチベーションは以下の変遷で提唱されてきました。
1、賃金という経済報酬であると考える「経済人モデル」
2、社会的欲求(人間関係等)であると考える「社会人モデル」
3、自己実現をするためであると考える「自己実現モデル」
4、人の欲求は複雑で、十人十色である「複雑人モデル」
今となっては当たり前のように聞こえるかもしれませんが、私たちは、大前提として人は限定合理的に感情で考え動くものであり、人それぞれにモチベーションの源泉があり一つには定めることができないというエドガー・H・シャインの複雑人モデルをベースにモチベーションを捉えています。
だからこそ、日頃からのメンティーとのコミュニケーションが大事です。コミュニケーションを通してその人の大切にしていることや価値観・興味関心を知らなければその人のモチベーションの源泉がどこにあるかがわかりません。
これはメンターだけではなく、マネージャーやリクルーターといった人に影響を与えるリーダーには大事なスキルなので、これまでもHCコラムを通して様々なところでご紹介をさせていただいています。ぜひご覧ください。
さて、いよいよモチベーションが下がっている相手に対してどのようにコミュニケーションを取ったら良いかの少しテクニカルなコミュニケーションをご紹介します。
「人は感情で考え行動するもの」と捉えた時に、どうしても人としてかかってしまうバイアスが大きく4つあります。
- 現状維持バイアス
- 近視眼バイアス
- 同調性バイアス
- 参照点バイアス
モチベーションが下がっている理由を知り、その人の考え方を変えるためには、考えていることの根底にこの4つのいずれかもしくは複数のバイアスが存在していることを知ることが重要です。
そして、バイアスによって凝り固まった考えを「解凍(Unfreeze)」→「変化(Change)」→「再凍結(Refreeze)」の3ステップを通して変革してあげることでモチベーションが下がってしまっている状態を変え、目指すべき状態に向けて思考を変え、行動へ移させることが可能です。
特に重要なのは「解凍(Unfreeze)」です。
やりがちなのは、バイアスがかかってしまっている状態の人に対して「変化(Change)」のコミュニケーションからとってしまう人が多いですが、まずやらなければいけないのは凝り固まった考えを解凍してあげることです。そのためには「スイッチ&フォーカス法」など様々な手法があるのですが、このコラムでは一番汎用的で覚えやすいHATALUCKのVALUEにもある「時空の思考」をご紹介します。
「時空の思考」とは「時間軸(過去・現在・未来)」と「空間軸(視野・視座・視点)」を活用し、別軸からその物事を捉える思考です。
例えば、「なんでこんなことをやらなければいけないんだ」と何か納得のいかない出来事に対して行動が止まってしまっている人は「今」の時間軸や「自分視点」の空間軸で物事を見ている状態です。
この人に対して「未来」どうなっているのが望ましいかといった別の時間軸や「相手はなぜお願いをしてきたのか」の別の空間軸を与えると、新しい視点から物事を考えだします。これが揺らぎを与える「解凍(Unfreeze)」の技術です。
実際には「こんなに頑張ってるのに成果が出ない」「取引先の担当者が物事を理解できない人だ」といったありがちだけれど複雑な悩みに対するメンタリングも必要になってきます。そして人によって正解は異なるため、これから先リクルーターやマネージャーとして活躍する第一歩としても今年2年目になった新卒一期生には試行錯誤しながらも周囲に影響を与えられる人に成長していって欲しいと考えています。
言葉は武器なる
言葉を使い、人々に新しい視点を与え、動かすことができれば、言葉は武器になります。
そういったことを、私たちの会社は2年目社員に対して、メンターと役として習得してもらうことで、リーダーになる一歩を踏み出してもらっているのです。