COLUMN
SWX総研
これまでたくさんの店舗サービス業のお客様と話をしてきましたが、その中で「外国籍の従業員(アルバイト・パート)の方々が店舗の中で取り残されてしまっている気がする。紙のノートでの情報共有にサインもしないし、コミュニケーションも取りづらく、店舗で働く『仲間』に加われていないようだ。」という話をよく耳にしました。
自分自身も海外で仕事をした経験があるため、もしその国の人間にしか情報が共有されず、外国人の自分には限られた情報しか与えられない場合どんな気持ちになるか、容易に想像できます。「外国籍である自分たちは蚊帳の外だ。」という疎外感を持ってしまい、一緒に働く仲間として認めてもらえていないような感覚がすると思います。その場合、外国籍スタッフの職場に対する満足度(エンゲージメント)や、働くことへのモチベーションは、どれほど下がってしまうでしょうか。
私たちも普段から仕事で苦しくなったときなど、周囲との接点がなければ心の支えが無くなり、すぐに辞めてしまいたくなります。外国籍の方々にとって日本の職場はまだまだ、「心の支えになるような人との接点を持てる場所」にはなっていないと感じています。やはり職場というものは、国籍に関係なく、人と人が業務を通じて、心も繋がる必要があると思います。
だからこそ、はたLuck®︎では「星を贈る」*1機能にこそ翻訳機能を搭載することに拘りました。
「連絡ノート」*2にも翻訳機能は実装されていますが、「連絡ノート」でやりとりする業務上の指示だけではなく、業務以外のコミュニケーションに積極的に取ってもらいたいからです。仕事仲間に「星」を贈ることで感謝の気持ちを伝えたり、「星」をもらうことで誰かのために仕事ができているという実感を持ってもらいたいためです。
また通常の翻訳機能は日本語の投稿を外国籍のスタッフが自身の言語に訳すためのものですが、はたLuck®︎は、外国籍のスタッフが自分の母国語で投稿し、日本人スタッフが日本語に訳して読むことができる仕様になっています。日本語を勉強していても、話すことより、書くことの心理的なハードルはとても高いものです。外国籍の方々が自分の言葉で投稿できれば、自分からの情報発信の負担が軽くなり、より多くの人たちとの繋がりを持つことができるようになると考えました。
私たちの目指す、サービス業で働く人々を幸せにしたいという思いに国籍は関係ありません。様々なバックグラウンドを持った方々が、一緒に働く仲間として心理的な繋がりを強め、楽しく働くことができる、ワンチームになれるようにサポートしたい、それは、私たちだからこそできると思っています。
日本は、人口減少という大きな構造的問題に直面します。労働集約的なサービス産業にとっては特に、働き手の確保が困難になるのは必至です。そんな環境で貴重な戦力となる外国籍のスタッフと共に作り上げた店舗だけが、生産性を維持・向上させられるのだと思います。
*1 心理的な繋がりを強化するサンクスカード的な機能
*2 業務に関わる情報共有ができる、紙のノートを電子化したようなコミュニケーション機能