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リクルーティングからのお知らせ
大事なのは精緻な人事制度があることではなく、社員がWell-beingであるかどうか
今回はライフイベントと仕事についてコラムを書いていきたいと思います。
男女ともにライフイベントによって仕事との両立やバランスを取らなければいけないことは出てきます。とりわけ、ライフイベントの中でも「出産」は女性にしかできないイベントです。これから新しい仲間が増えていくフェーズのHATALUCKにおいて、より働きやすい環境や制度を整えるべく、女性社員を集めて働き方についての座談会を行いました。
皆さんは「マミートラック」という言葉をご存知ですか?
これは産休・育休を取った女性が陥りやすい職場格差と言われています。一般的な日本の企業の人事制度は基本的に従業員の能力が年功によって一律で評価され、ベースアップと言う形で給与が上がる階段を登っています(日本型能力主義とも言われます)。
その同じ昇給階段の中で、産休や育休でお休みをもらうとその人は階段の途中で立ち止まり、復帰した後は時短勤務などをしながら他の社員と同様の昇給階段をまた登ることとなります。
基本的に同じ人事制度の中で評価をされていくため、男性はこの階段で足を止める判断をすることは難しくなります。何故ならば、総合職は全員一律で、エリートを目指す階段を登っているからです。そのため、途中で足踏みする事は、そのレースから降りることになってしまいます。
結果、出産で一時的に立ち止まる必要のある女性がそのまま育児休暇や時短勤務をするケースが多くなるのです。
そして、女性が産休や育休から復帰したあと、職場内でよくこんな声が上がってきます。
■受け入れ側の社員の声(以前の会社での出来事から)
「私と同じ職種・業務で復帰したのに、時短勤務のあの人は残業もなく、その分の業務は子供がいない私に全部降りかかってくる。職種と業務も一緒で給与もそんなに変わらないのに、なんか納得いかないんですよね。」
■復帰した女性社員の声(以前の会社での出来事から)
「家庭や育児と仕事を両立しなければいけないから、どうしても時間の制限は出てしまう。同僚に負担がいってしまうことも心苦しい。」
このように出産後の育児休暇や時短勤務など、ライフイベントに対応した人事制度があるにもかかわらず、一緒に働く同僚と協働することが難しく、働くことが苦しくなってしまい、そして結局復帰をしても活躍することができずに退職してしまうケースが大企業のみならず、日本型能力主義の人生制度がベースの企業には発生してしまっています。
さらに、コロナ禍で在宅勤務が増えた結果、育児と仕事を両立しやすくなった反面、「マミーギルド」という言葉も聞かれるようになりました。
在宅勤務で子供が話しかけてきているのに仕事中なので突き放さなければいけないこともあり、それに対して「仕事も育児もできない罪悪感」が生まれるというものです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
■働く母親の罪悪感「マミーギルト」 コロナで深まる
今回、女性社員を集めた座談会では出産・育児・介護等をしている社員と、していない社員がお互いに納得感をもって協働をしていくにはどういう人事制度があったらいいのか、それぞれの視点からディスカッションしました。
また、日本型能力主義人事制度がもたらすメリットとデメリットを代表の染谷が解説つしつつ、以前の会社であった出来事などを具体的に共有しました。そして、自分たちの会社はどんな制度にしていくべきか、日本型能力主義で全員がエリートを目指すことが本当に幸せなのかなどを話し合い、どんな制度や組織を作っていけばいいのか、かなりの時間を使って意見交換しました。
座談会では、どんなに精緻に人事制度を作っても、制度だけでは全員が納得のいく働き方になることは難しく、ライフイベントの有無に関わらず全社員が仕事をすることが楽しく思えるには、お互いの状況や考えを理解し、コミュニケーションによって関係性を構築し続けていく必要があるという意見もありました。
精緻に設計した人事制度だけではなく、それぞれの状況と立場が異なる社員同士が協働するためには職場での運用力の向上も必要だと私たちは考えています。この難しい問題を紐解き、社員が仕事によって幸せになる(Well-Being)ことを実現するために、組織の成立要件と存続要件という視点を使って、「働きがい」を科学してみたいと思います。
次回のコラムは組織の成立要件と存続要件というフレームワークを使って、様々な状況や立場にある社員同士が協業し、働きがいを持つために必要なことを発信したいと思っています。
このように、私たちヒューマンキャピタルグループは、事業ミッションである「「はたらく」を楽しく」を自分たちの会社で実現するために、学術的な理論やフレームを使って、働きがいのある職場づくりを目指しています。
次回のコラムもぜひご覧ください!