COLUMN
SWX総研
先日のお盆で実家に帰省をした時に、地元密着のファミリーレストランに行く機会がありました。
今回のコラムでは、どこか懐かしく、家族との時間を提供してくれたファミリーレストランでの感動体験から現代のサービスについて考えていきたいと思います。
帰省の際、両親と子供と一緒に久々にファミリーレストランに行くことになりました。家から車で20分、国道沿いにあるお店に到着。
田舎育ちの自分にとって、子供の頃は外食すること自体に「特別感」がありました。
1980年当時は「ファミリーレストラン」の店舗数もそれほどない時代です。さらに、家で食べる和食中心の食事ではなく、洋食(オムライスやパスタ、ハンバーグ等)を食べられるという点で、「ファミリーレストラン」は子供の私にとって特別な場所でした。特に、昔は熱々の鉄板で焼いたハンバーグやステーキがジュージューと音がしてテーブルまで運ばれてくる様子は、幼心に一種の憧れでもありました。
そして時代の変化と共にファミリーレストランの多様化と店舗数が拡大し、業務効率化や省人化、機械化が進められ、ファミリーレストランは一定品質で「いつもの」料理がどの店舗でも出てくる安心した場所になりました。一方で、子供の頃のような「ワクワク感」や「特別感」は薄れていってしまったと思っています。
そんな思いがあり、最近では正直ファミリーレストランにはそれほど美味しさや楽しさ、ワクワク感を期待をしていなかったのですが、今回行ったお店は、そんな私に雷が落ちたような衝撃を与えてくれたのです。
店内は天井高が高く、入店して広がる開放感のある空間。そして、メニューに書かれている食材や料理へのこだわり。牛の赤身だけを使ったハンバーグが看板メニューになっており、テーブルまで熱々の鉄板でハンバーグが提供されるスタイル。
テーブルに運ばれるまでに「ジュージュー」という音と立ちこめる煙と香りが、本当に「早く食べたい!」という気持ちを高めてくれます。
テーブルまで来たら、スタッフが専用のナイフで素早く半分にし、熱々の鉄板でさらに「ジューーーー」と焼いてくれるのです。その瞬間、これは「あの頃のファミレスだ!」と良き思い出と共に楽しく食事をしました。
「そう、これだよ、これ」
こういった演出が業務効率化という時代の流れでなくなってしまい、最近は配膳ロボットが運んでくるような風景がある中で、この体験は最高に気分が上がりました。
効率化、機械化も大事ですが、こういった「家族が特別な体験ができる場所」も外食には必要だと感じます。人口が減少する日本では、付加価値型のサービスに転換する必要がある中で、このファミリーレストランは時代にあった外食だと感じました。
本当に美味しく、久々の感動体験でとても充実したお盆休みを過ごすことができました。